日本美人はこう創る!和の伝統化粧品3選
◆日本人の化粧の変遷
「メイクアップ」というと女性が自分を美しく見せるというイメージがありますが、
戦国時代までは女性だけでなく身分の高い男性も化粧をすることが身だしなみとされていました。
日本のメイクの基本カラーは、白・黒・赤。肌を白く、眉を黒く、唇を赤色にするのが伝統的なお化粧です。
特に女性の場合は、白い肌に切れ長のすっきりした目にするようなメイクが主流でした。
化粧品は高価なものだったので長い間身分の高い人のみの習慣でしたが、
江戸時代には京都・江戸・大坂などの都市部でようやく一般女性にも化粧が普及します。
◆化粧のトレンド
眉の太さや位置、髪型などは時代によりマナーやトレンドが変わっていきました。
そして、現代のファッションリーダーの位置を担うのは華やかな遊女。
彼女たちのヘアスタイルや化粧方法、ファッションは浮世絵などに描かれ、あっという間に流行を生み出していきました。
今回は、日本で古くから使われ愛されてきた化粧品をご紹介します。
◆1.和のルージュ:小町紅
欧米から口紅が入ってくるまでは、日本では紅花から作られる紅を使っていました。
紅花から抽出できる赤い色素はたった1%。おちょこ1つ分の紅を作るには1500個の紅花を必要としたそうです。
今のように唇いっぱいに色を塗るのではなく、おちょぼ口のように唇の真ん中だけ赤くなるように小さく描きました。
それだけ紅は貴重なものだったのでしょうね。
◆2.和のファンデーション:粉おしろい
肌を白く見せる白粉は、女性だけでなく歌舞伎俳優も使うものでした。
鉛の含有が健康上問題があるとされ、明治時代以降は無鉛のおしろいが主流になっていきます。
昭和初期には真っ白のおしろいだけでなく、肌の色に合った肌色、オークル、ピンクのおしろいなどが登場してシーンに応じて使いやすくなりました。
◆3.和のヘアトリートメント:大島椿
椿油は、椿の種子から搾られた天然のオイルです。
人の皮脂に含まれる成分を多く含むため肌に馴染みやすく、頭皮や毛髪への刺激も少ないと言われています。
平安時代に椿油は食用や灯用に用いられ、江戸時代には女性の黒髪をつややかにすると大人気になりました。
日本髪を結っていた時代の人たちに欠かせないヘアケア用品だったようです。
◆まとめ
現代の一般女性はもうあまり使わないかもしれない、日本の伝統的な化粧品。
しかし歌舞伎や花柳界、芸妓さんや舞妓さんの中にはいまだに愛用している方も少なくありません。
化粧は大切な文化の一つでもあります。
伝統を引き継ぐ人たちのお陰で日本古来の化粧品も存続しているということですね。
Written by あやぽん